白夜の降魔

ラブひな IF       〈白夜の降魔〉

 

 

 

第関灯 「管理人の閻魔帳」

 

 

 

 

 

十一月十五日……その日の朝から、しのぶはご機嫌斜めだった。

 

朝の挨拶も言葉が少なく、ぶすっとしているわけではないが、雰囲気が周囲に機嫌が悪いのを知らしめていた。

ひなた荘の癒し系といっても過言ではないしのぶがそんな状態であると、周囲も妙に緊張してしまい、

結局、どうすればよいのかわからず、皆もほとほと困り果てていた……

 

 

「なぁなる。今日のしのぶ、いったいどないしたんや?」

「あたしが知るわけないでしょ」

 

 

玄関ロビーにて、キツネとなる、そして素子とスゥが顔をつきあわせ、緊急会議を開いていた。

議題は、しのぶの機嫌が悪い原因究明と、その解決についてだ。

 

 

「なる先輩やキツネさんまで知らないとなると…後、知っていそうな、もしくは原因らしき奴といえば…」

 

 

素子の脳裏に、ひなた荘唯一の男にして、この場にいない管理人の姿がよぎった。

それはなる達も同じだったらしく、同意するように頷いた。

 

 

景太郎アイツね。でもさ、素子ちゃん。さすがにそれはないんじゃない?

あいつってさ、なんだか妙にしのぶちゃんとかスゥちゃんに優しいし、原因とは思えないけど……」

 

「確かに。それに、景太郎はひなた荘に来てからまだ日が浅いからな、知ってるとは思えんし…

今回は景太郎に期待せず、うちらで何とかするしかないで。

そもそも、景太郎の奴、今日は朝飯の後出ていってからまったく姿を見せへんしな」

 

「そうですね。では、後は………」

 

 

素子は最後に残った人物…スゥに視線を向ける。

確かに、カオラ・スゥはしのぶと歳も近いため、素子達よりは事情を知っている可能性が高い。

 

 

「なぁ、スゥ……」

「うち、なにもしらんで」

 

 

言葉半ばで否定するスゥ。

事態を理解していないのか、それとも大したことはないと判断しているのか、あっけらかんとした表情だ。

 

 

「スゥちゃんまで知らないの?だったら原因はなんなのかしら………」

 

 

腕を組んで悩むなる。素子とキツネも、同じように腕を組んで首を傾げる。

ひなた荘の住人全員が知らないとなると、しのぶの不機嫌の原因は『外』でのこととなる。

この場合、『学校』や『街』へ外出したときのこととなる。

 

そうなると、原因を調べるのは相当面倒なこととなる。

だからといって投げ出さないあたり、なる達は本当にしのぶを心配している事が容易にうかがえた。

スゥはそんなキツネ達を不思議そうに見た後、名案が思い浮かんだといわんばかりにニパッと笑った。

 

 

「そんなに悩まんでも、本人に聞いてみたらええやん。お~い、しのぶ~!!」

「ちょっ、ちょっと待たんかい!!」

 

 

いきなりの行動に、キツネは慌ててスゥの口を押さえるが、

時は既に遅く、台所の方からパタパタと軽い足音と共に、しのぶが姿を現した。

 

 

「あのー…何か?」

 

「い、いや!何でもないんや、気にせんといて。

ああ!そういやうち用事があったんや!スゥもちょっと手伝ってもらうで」

 

 

口早にそういうと、キツネはスゥの口を押さえたまま、我先にとこの場から足早に立ち去った。

後に残されたなるや素子も、今思いだしたといわんばかりに、

 

 

「あ、あたしも新しいノートとか参考書を買わなきゃいけないんだった!」

「わ、私もそろそろ素振りの時間だ。今日は念入りにしないとな」

 

 

なるは『あははは…』とわざとらしい笑みを浮かべながら自室に、

素子は平静を装った表情(かなり不自然)で、何時も素振りをしているベランダへと向かった。

そんな四人を見送ったしのぶは溜め息を吐きながら、暗い表情で俯き、

 

 

「みんな…覚えてないのかな………」

 

 

誰にも聞こえないような儚い声で、ポツリと呟いた……

 

 


 

 

「という訳なんやけど、はるかさん、なんか知らへん?」

「いきなり来た途端、―――――という訳とか言われても困るんだがな…」

 

 

ろくな説明も無しに訊ねてくるキツネ達を横目で見ながらタバコを吹かすはるか。

不作法なまでのいきなりの来訪に少々不機嫌になっていたが、

ことがひなた荘の住人前原 しのぶに関わることなので、それを意識の奥に沈めた。

 

 

「とりあえず……私にも心当たりはない。何も知らん」

 

 

しばらく考えた末のはるかの言葉に、キツネ達は揃って頭をかかえた。

最後の頼みの綱が切れてしまった以上、後に残ったのはかなり不安が残る人物だったからだ。

 

 

「はるかさんでも御存じ無いのであれば、後はやはりアヤツしか……」

「うん」

 

 

皆まで言わずともわかっているのか、素子の言葉になるは頷いた。

 

 

「はるかさん、朝から景太郎が見えないんですけど…知りませんか?」

「景太郎か?あいつなら仕事に出かけたぞ」

 

 

手元にあった新聞を広げながら、事も無げに言うはるか。

学生である景太郎がバイトではなく『仕事』に出かけたと聞き、

多少ながらも景太郎と共通点のある素子は、ハッと気がついた。

 

 

「はるかさん。神凪の『仕事』というと、やはり……」

「ああ、ソッチの仕事だ」

「そうですか…」

 

 

納得したような、納得できないような…そのどちらともとれるような表情で頷く素子。

そんな素子をはるかは横目で一瞥すると、軽く苦笑した。

 

 

「なんや?二人だけで理解して…ソッチの仕事ってなんのことなんや?」

 

「え?ああ、失礼しました。仕事とはいわゆる『退魔』の事です。

俗に『魔界』等と呼ばれる異世界よりこの世に現れる『魔』を『退治』する仕事です。

私の流派である神鳴流や、神凪の一族は、その退魔を行う組織になるわけです。

こと、こういった妖魔…今風で言えば『オカルト』等は、警察では対処できませんので……」

 

 

素子の簡単な説明にへ~っとキツネ達。

ただ一つ、その説明に訂正点があるとすれば、

最近は警察の中にも対妖魔の部署『特殊資料整理室』があることぐらいだ。

 

 

「して、はるかさん。その退魔は一体どこで?」

「知らん。だが、行き掛けに今日中に必ず帰ると言ってたからな。市内の何処かだろうな」

「そうですか……」

 

 

再び複雑そうな表情をする素子。

景太郎の退魔が行われるのは日向市内…つまり、『浦島ひなた』のお膝元なのだ。

浦島と深い繋がりのある神鳴流にとって、目先の退魔を余所の組織が行うことに良い気分はしない。

 

 

「あまり気にしないことだ。そもそもここは神凪の本拠地とも近い。

本来なら、関東一帯の主だった退魔は神凪がほぼ請け負っているんだからな」

 

「そうですね……」

 

 

はるかの言葉に頷きつつも、やはり顔が優れない素子。

その表情には、仕事とは別に思い含んでいるところがあるように見受けられた。

少なくとも、そういった裏事情を知るはるかには、そう見えた。

 

 

「しかし、その『退魔』ってのはやっぱり危険なもんなんやろ?」

「ああ、事と程度によるが…多少の怪我を負う事はざらだな。時には死ぬこともある」

 

淡々と事実のみを語るはるか(キツネ達主観)に、キツネとなるは厳しい表情をする。

 

「やっぱそうなんか…景太郎は大丈夫なんか?」

「するだけ無意味、いらん心配だ」

 

 

キッパリと言い切るはるか。

景太郎の実力の一端をその身に味わった(もしくは”味わいかけた”)はるかにとって、

景太郎の心配をすることなど無意味であり、する必要もなかった。

そもそも、心配するほど強大な相手が現れるなど、考えたくもない。というのが本音だったが……

 

 

「それは確かに……」

「忘れがちだけど、あいつって強いのよね」

 

 

先日見た、素子との闘いを思い返しながら頷くなる。

普段の景太郎の振る舞いは、とてもではないが『強い』という単語から無縁に見える為、しばしば忘れるのだが、

その実力はとんでもないことだけは、知識的に頭の中にあった。

 

 

「やっぱけーたろーはめっちゃ強いな~」

 

 

スゥは満面の笑みを浮かべながら、まるで自分のことのように喜ぶ。

実際、ひなた荘の住民の中で景太郎と一番仲がいいのはスゥ…というよりも、景太郎によくじゃれついていた。

 

 

「そういや、スゥは最初っから景太郎のこと気に入っとったな。何でや?」

「ケータローはな、うちの兄様にそっくりなんや」

 

スゥの若干照れたように言った言葉に、キツネはほ~っと軽く驚いた。

 

「なんやスゥ、兄貴がおったんか」

「そうやで、言ってへんかったか?」

 

『言ってない』

 

 

すかさず声を揃えてつっこむキツネ、なる、素子の三人。

そんな三人に、スゥはクイッと首を軽く傾げた。

 

 

「でも、けーたろーはしっとったで」

「知っとったって…自分が言ったんやないんか?」

「んにゃ、全然」

「なら、なんであいつは知ってたのよ……」

 

 

不審がるなる…スゥとつき合いが長い自分よりも、景太郎が知っていたことに釈然としないのと、

そんな事まで知っている景太郎に不安を抱いたのだ。

 

 

「まさか、あいつストーカー紛いなことしてるんじゃないでしょうね」

 

「それこそまさかだな。とにかく、景太郎が帰って来るまで待て。

本人が帰ってから、しのぶのことなり、その事なり問いただせばいい」

 

 

話が変な方向に向かい始めたことを危惧したはるかが、場を納めるべく口をはさむ。

その言葉に四人は揃って頷き、いつ帰ってくるかもわからない景太郎を待つこととなった。

 

 


 

 

 

「―――――雷穿らいせんっ!!」

 

 

景太郎の右拳に集束された雷氣が、空間に金色の軌跡を描きながら邪霊の胴体を貫く!!

 

 

『ギャァァァァッッ!!』

 

 

致命傷の一撃をうけた邪霊は、耳障りな断末魔の絶叫を上げながら消滅する。

後には、その残滓どころか妖気のカスすら残っていない。

それと周囲に危険が完全に無いことを確認した景太郎は、静かに構えをといた。

 

 

「………これで終わりか、あっけなさすぎる。

わざわざ神凪から連絡があるくらいだから、大層な相手かと思ったんだが…歯ごたえがまるでないな」

 

 

いささか拍子抜けしたよう…いや、物足りなさそうに呟く景太郎。

闘いを楽しんでいるという様子は見られないが、さりとていやいや…とも見られない。

 

 

「まったく…分家の連中も、こっちに来るのが面倒くさいからって押しつけたな」

 

 

面倒くさいと言わんばかりにぼやきながら、景太郎は今朝のことを思い返していた。

 

 

早朝、景太郎の元に神凪家…正確には、分家の一つから電話があったのだ。

その内容は、日向市内にある神社の古木に取り憑いた下級妖魔を祓ってほしいという退魔依頼だった。

それを、日向市にいるという理由だけで、景太郎に回したのだ。

 

そして、到着して調べてみれば、下級妖魔というのは間違いで、取り憑いていたのは邪霊。

しかも、近づいて来た景太郎に、古木から飛び出して奇襲するというおまけ付き。

もっとも、かなり前から感知していた景太郎によって、一撃で滅ぼされてしまったが…

 

到着した当初は、木ごと燃やすつもりだったのだが、

その古木は神社の神木で、何より樹齢百年を超える大きな木…燃やすのは邪霊だけにするか。

と、考えていた矢先の襲撃だったため、景太郎にとっては渡りに船だった。

 

 

「ま、一応これで仕事も完了………だが」

 

 

神木を見上げる景太郎…邪霊に取り憑かれていたせいか、神木からは生気が感じられない。

それは邪霊の発する邪気の所為か、それとも邪霊が生気を吸い取っていたからかはわからない。

ただ、このまま放っておけば、そう遠くない未来にこの木は枯れてしまう事は、用意に予想できた。

 

(別に、このまま枯れても俺は構わないしな…)

 

そう、心の中で呟く景太郎。だが、その考えとは裏腹に、瞳にはどこか悲しそうな光があった。

 

 

「………………ま、知らんふりをするのも何だし…な」

 

 

景太郎は十数秒ほどの沈黙の後、フッと優しげに笑うと、右手で神木にそっと触れる。

もし、この場に霊視力がある者がいれば、景太郎の右手から神木に流れる”蒼い光”に気がついただろう。

 

三十秒ほどそれが続いただろうか…景太郎は、最初の時と同じく静かに神木から手を放した。

 

 

「これでいい。後は、枯れるも咲くもこの木次第…寿命が残っているのなら、元に戻るだろうさ」

 

 

外見上、木は何も変わっていないように見える。

だが、その内部では途切れがちだった生気の循環が、微かながらも着実に行われ始めていた。

 

 

「さて、帰る『ピピピ!ピピピ!』なんだ?」

 

 

懐から色気のない着信音を奏でる携帯電話を取り出す景太郎。

表示から、かけてきた相手が誰なのかを確認してからボタンを押した。

 

 

「はい」

「お~す、景太郎。お仕事ご苦労様」

「……何の用だ」

「それはもちろん、仕事に勤しむ我が親友を労うために…」

「電話を切るぞ」

「冗談!冗談だって!」

「………それで、何の用なんだ、灰谷」

 

 

景太郎に電話をしてきたのは、景太郎の学生時代からの友人〈灰谷 真之まさゆき〉であった。

高校を卒業後、通う大学こそ違ってはいるが、その縁は今だ繋がって…いや、さらに強くなっている。

 

 

「仕事が終わった途端にかけてくるなんて、随分とタイミングがいいじゃないか」

「なに、お前なら、あの程度の邪霊に手こずるはず無いからな。頃合いを見計らっただけさ」

「……相変わらず、正確な情報だな」

 

 

そう、彼は今現在売り出し中の情報屋で、景太郎の大きな情報源となっているからだ。

その情報はかなり正確で、しかも下手な情報屋よりもはるかに早い。

それを証明するように、此処に来るまで下級妖魔の退治だと思っていた景太郎に向かって、

灰谷ははっきり『邪霊』と言ったのだ。

 

そして、景太郎が灰谷を贔屓にしている大きな理由がもう一つ……

 

 

「ま、それはともかく…景太郎、頼まれていた”例の品”やっと手に入れたぜ」

「ああ、やっと届いたのか」

 

 

例の品…つまり、彼の売りものは情報だけではなく、色々な品物まで扱っているのだ。

 

 

「なんとか間に合ったな」

 

「何とかじゃねぇ! まったく、いきなりこんな話を持ち込みやがって…

しかも、三日前に注文して今日までに手に入れろなんて、無茶にも程があるぞ!」

 

「お前なら出来るはずだと踏んだんだよ。俺は信頼を裏切らない男だからな」

「はいはい…その信頼を維持するのに、すっごい苦労があるがな」

 

 

景太郎の誉め言葉に、灰谷は半ば投げやり風に返事をする。

 

 

「とにかく、これから言う場所に品物を”ラブレス”が持っていくからな。そこで受け取ってくれ」

「”ラブレス”に? お前は来ないのか?」

 

「このところ仕事にかかりきりだったんでな、学業を疎かにしすぎちまったんだよ。

たまったレポートやらなんやらで、当分部屋に缶詰状態だ」

 

 

今までとは一変して、憔悴したような口調になる灰谷。

電話越しからでも、彼がかなり疲れていることが透けて見えるようだ。

 

 

「だめだぞ、学業を疎かにしちゃ」

「その責任の半分ないし四割はお前の無茶な注文の所為でもあるんだがな…」

 

 

景太郎の言葉に、かなり剣呑な口調で言う灰谷。

かなり危険な状態なのを察した景太郎は、軽く愛想笑いをする。

 

 

「はははは…すまんすまん。だが、こればかりは抜かせなくてな」

「……まぁいい、じゃぁこれから受け渡し場所を言うぞ。ちなみに一回しか言わないからな」

「OK」

 

 

そして景太郎は、灰谷の示す場所を、頭の中に記憶していった。

 

 

その日の夕方……

移動するダンボールの山…もとい、大きめのダンボールの箱を五つも担いだ景太郎が、ひなた荘に帰ってきた。

 

 

「ただいま~…あ~疲れた」

 

 

景太郎は玄関をくぐって帰宅を知らせると、担いでいた五つのダンボールを慎重に床に置き、座り込んだ。

中身、重量はわからないが、さすがの景太郎も若干疲れた様子だった。

 

 

「景太郎! やっと帰ってきたわね」

 

 

そこへ、いち早く問いただそうと待ちかまえていたなるが、足早に二階から下りてくると、

座り込んでいる景太郎とダンボールの山を見て驚いた。

 

 

「これなに?」

「ああ、成瀬川か。すまないがしのぶちゃんを呼んでくれないか?」

「え、ええ。それは構わないんだけど…それ、一体どうしたのよ?」

 

 

さすがに気になって仕方がないのか、景太郎に聞いてくるなる。

しかし、景太郎はそんななるの問いに微笑して、

 

 

「それはしのぶちゃんが来たときに話すよ」

 

 

一番最初に教えるのはしのぶ…と言われ、いささか釈然としないなるだったが、

訊いてもこれ以上答えそうにない景太郎に、とりあえずしのぶを呼ぶことにした。

 

 

「しのぶちゃーん、ちょっと来てくれる!」

「はーい」

 

 

返事と共に奥の食堂から姿を現すしのぶ。

エプロンを着用していることから、どうやら台所で夕食の準備中だったらしい。

 

 

「あの、なる先輩。なにか?」

「いや、あたしじゃなくて、用があるのは景太郎の方なんだけど」

「え? 神凪先輩、何かご用ですか?」

 

「ああ、しのぶちゃん。これ…プレゼントだよ」

 

 

そう言いながら側に置かれているダンボールを指差す景太郎。

それを見たしのぶは、ちょっと怪訝そうな…それでいてどこか期待しているような表情になった。

 

 

「神凪先輩、これって……」

 

「本当なら、包装してきちんとした形で渡したかったんだけど、

さっき取り寄せたばかりで、そんな時間がなかったんだ。ごめんね」

 

「いえ、そんな…」

「とりあえず、開けてごらん」

 

 

しのぶは景太郎に促されて怖ず怖ずとダンボールを開け、中身を覗くと、目を大きく見広げて驚いた!

 

 

「せ、先輩! これって!!」

「どうかな? 気に入ってくれれば幸いなんだけど……」

「は、はい! とっても嬉しいです!!」

 

 

嬉しさのあまりか、目に涙を溜めて喜ぶしのぶ!

そんなしのぶに、景太郎は優しげな笑みを浮かべた。

 

 

「なによ、しのぶちゃんにだけプレゼント?」

 

 

しのぶだけにプレゼントしたことが気に入らないのか、なるは不機嫌丸出しの顔になる。

そんななるを見た景太郎は笑顔から一変、不可解そうな表情になる。

 

 

「はぁ? お前何を言ってるんだ?

お前こそ普段からしのぶちゃんに世話になっているんだから、なにかしたらどうなんだ?」

 

 

確かに…普段から炊事洗濯をしのぶに任せているなるは、景太郎の言葉にうっと唸る。

以前は掃除などを偶に手伝っていたが、勉強が忙しく、今現在は本当に『偶に』でしかない。

 

 

「しのぶちゃんに恩を返せる日なんて、今日以外には正月かクリスマスみたいな時しかないんだからな」

「え? それってどういう………」

 

 

「なんや、景太郎帰ってきとったんか」

「けーたろー、おかえりー!」

「ん。神凪、やっと帰ってきたようだな」

 

 

訳のわからない…といった感じで景太郎に問いただそうとしていたなるの言葉の途中に、

騒々しさで気がついたのか、キツネ達が階段から下りてくる。

そして、なる達と同じく、五つの大きなダンボールを見て驚きに目を大きく広げた。

 

 

「な、なんなんや?これは…」

「お~! ダンボールがいっぱいや! これ、なかみは食いもんなんか?」

「神凪、こんなにダンボールなど持ってきて…またろくでもないことをするつもりじゃないだろうな」

 

 

それぞれ見たままの感想を言う。

不審そうな顔をした一同(若干一名除き)をよそに、しのぶは開いたダンボールから中身の一つを取り出した。

 

 

「本当にありがとうございます! これ、ずっと前から欲しかったんです」

「そこまで喜んでもらえたのなら光栄だよ。俺も、無理して手に入れた甲斐があった」

 

 

キツネ達の声など聞こえていないのか、景太郎俊信は二人だけで会話をしている。

ちなみに、これを手に入れるのに無理をしたのは、言うまでもなく景太郎の友人だったりする。

 

 

「いったい中身はなんやっちゅーねん」

 

 

景太郎としのぶが騒いでいる様子に興味をひかれたのか、キツネは唯一空いているダンボールを覗き込む。

なる達もキツネに続いてダンボールの中を覗き込むと…そこには、鈍い銀色の物体が鎮座していた。

 

 

「何これ…って、どう見たって鍋よね」

 

 

そう、なるが呟いたように、箱の中身は鍋…

それも、外国製の有名メーカーの高級ステンレス鍋二十点セットだった。

付け加えて説明すると、一般家庭がそうおいそれと手が出せる代物ではない。

 

 

「これが、しのぶが欲しがっとった鍋なんか…

で? 景太郎。残りのダンボールはうちらのやろ? いや~すまんなぁ」

 

 

ダンボールは五つ、ひなた荘の住民も五人。

一人一つという考えに行き着いたキツネは、期待に目を輝かせながら手早く近くのダンボールを開封した。

 

だが……

 

 

「な、なんやこれ!これも鍋やないかい!」

「あ~…こっちもバナナが入ってへんで~」

「む…こちらも鍋です」

「これも…高そうな鍋しか入ってないわ」

 

 

それぞれダンボールの中身を覗いてガッカリするキツネ達……

期待していた分、はずれたときのショックが大きいのだろう。

 

 

「なんや景太郎、プレゼントはしのぶだけかい! うちらにも買ってくるんが筋っちゅーもんやないんか?

あんさんも管理人やなんさかい、依怙贔屓えこひいきはいかんで」

 

「成瀬川みたいな事いわないでくださいよ、キツネさん」

「どういう意味よ、それ…」

 

 

理屈を付けて催促するキツネに対する景太郎の言葉に、なるが不機嫌そうに噛みついてくる。

どういう意味も何も、言葉通りなのだが、先の自分の言葉は何処かの棚に置いてあるのだろう。

 

 

「そもそも、なんでお前達にプレゼントを買ってこなくちゃならないんだよ」

「なんでしのぶちゃんだけなのよ」

 

 

景太郎の言葉を逆に質問で返すなる。

その後ろでは、スゥが『バナナ~』キツネが『酒~』と、おどろおどろしい様子で催促の声をあげている。

素子は何も文句はいわず、我関せず…といった様子だが、静かに”止水”の鯉口を切っていた。

 

それを見た景太郎はしばらく沈黙した後、深い…深~い溜息を吐いた。

 

 

「はぁ~~。おまえら、まさかとは思うが…今日がなんの日か忘れてるんじゃないだろうな」

 

『????』

 

 

しのぶを覗く一同は”今日って特別な日だっけ?”みたいな顔で、備え付けの日めくりカレンダーを見た。

十一月十五日…今日は祭日でもなく、はたまたクリスマスでもない。誰かにプレゼントをする日ではない。

 

それを感じ取った景太郎は、ステンレス鍋を取り出しながら感動しているしのぶを横目で見た。

幸い、しのぶは嬉しさのあまりか、キツネ達の言動に気がついていない。

それを見た景太郎はリビングの一角に移動し、キツネ達を手招きして呼び寄せた。

 

 

 

「なんや? プレゼントやのうて現金なんか?」

「いい加減にしないと怒るぞ……おまえらには、しのぶちゃんの誕生日を祝う気はないんだな?」

 

「「「「なっ!?!」」」」

 

 

ちょっと…否、かなり非難を含めた視線で見ながら、最終通告気味の景太郎の言葉に、

なる達は揃って驚愕の声をあげた!

 

 

「た!」

「ん!」

「じょう!」

「び?」

 

 

キツネ、なる、素子、スゥが驚いた様子のまま叫ぶ!(若干一名は疑問系だが)

それを景太郎は、非難の上に冷たいものを上乗せしたジト目でキツネ達を見る。

 

 

「その様子だと、完全無欠に忘れていたな?」

 

「そ、そそそそ…そんなわけないやんか!! もち、覚えてるで!

その証拠に、これから皆と誕生パーティの準備なんやからな! いくで、皆の者!うちに続けぃ!!」

 

「「「イエッサー!!」」」

 

 

何故に軍隊口調…という景太郎の呟きを無視したキツネ達は、一旦奥に引っ込んだ後、

様々な道具を両手いっぱいに抱えながら庭に向かって行った。

その行動から、どうやらしのぶの誕生パーティーは外で行われるらしい。

 

(庭での食事となると…バーベキューが良いか? しかし、ちょっと寒くないか?)

 

ブツブツ言いながらも、誕生パーティの算段に頭を捻る景太郎。

しかし、携帯電話で肉屋にバーベキュー用の松阪牛を十人前頼んでいるあたり、かなりやる気がある様子だ。

そんな景太郎の元に、この場に残ったもう一人…しのぶが、恐る恐る話しかけてきた。

 

 

「あの…神凪先輩」

「ん? なにかな、しのぶちゃん」

 

「何で私の誕生日を知っていたんですか?

私、先輩に言った覚えもないし…みんなも、さっきまで忘れていたみたいなのに……」

 

「あぁ、それはね…」

 

 

しのぶの至極当然の質問に、景太郎は一体どこに隠し持っていたのか、

A4サイズの一冊のノート…いや、リストをしのぶに差し出した。

しのぶが表紙を見ると、そこには『入寮者名簿』と達筆で書かれてあった。

 

それを見たしのぶは、納得したという表情で頷いた。

 

 

「そうだったんですね…あの、中を見ても……」

「良いんじゃない? しのぶちゃん達は赤の他人ってわけじゃないんだし」

 

 

庭から響いてくる喧噪を聞きながら、景太郎は軽い感じで了承する。

相手がしのぶだからこそ、簡単に了承したのだろう。

その事をなんとなく感じ取ったしのぶは、ちょっと嬉しそうに微笑むと、怖ず怖ずと名簿を開いた。

 

そして―――――絶句した。

 

 

「せ、先輩…これは…」

 

 

そこに書かれていたのは、もちろん住民達のデータだ。

だが、しのぶを驚かせたのはそのデータの詳細だ。

全員の血液型や家族構成、座右の銘はまだ良い。食べ物から教科など、好き嫌いもまぁ良いだろう。

だが、乙女が秘密にしておきたい身長、体重、スリーサイズ(何故か誤差数ミリ)、

普段着、果ては下着の枚数まで完璧に網羅されているとなると、かなり問題だ。

 

 

「まさか…神凪先輩がこんな……」

 

 

なにを妄想したのか、今にも泣くぞと言わんばかりに目に涙を溜めながら景太郎を見るしのぶ。

そんなしのぶに、景太郎は微苦笑した。

 

 

「なにか誤解しているようだけど…俺が調べたんじゃないからね。

管理人になった際、はるかさんから貰ったんだよ。なんでも、あの婆さんが作ったモノらしくてね。

はるかさん曰く『人のプライバシーを完全無視した閻魔帳』らしいよ」

 

「そ…そうだったんですか」

 

 

景太郎が作ったのではないことを聞いたしのぶは、ホッと安心したのだが、

すぐにこんなとんでもない代物を作った”ひなた”に、顔を青ざめさせる。

 

ひなたが旅に出て一年以上経つのに、何故今現在の精密なデータが取れるのか…

それは聞いてはならないのだろう。

 

そう、しのぶは判断した。そして、それはとっても懸命な判断だろう。

 

 

「さて…しのぶちゃん、今の内にこれを片づけておこうか。

いつまでもこんな所に置いてあったら、通行の邪魔になるからね」

 

「は、はい」

 

 

そしてそれからしばらく、二人一緒に鍋のセットを片づけ始めた。

主に、台所まで運ぶのを景太郎、それを仕舞うのをしのぶ…と、役割分担を決めて手早く仕舞った。

 

そのおかげか、それとも二人の息が合っていたのか、

それはキツネ達が二人を呼ぶまでの十分足らずで、見事にキチンと片づけられた……

 

 


 

 

「しかしまぁ、景太郎。あの鍋のセット高いんやろ? 大学生のあんたがよう買えたな。

うちはああいったもんに興味がないから分からんけど、結構値が張るもんなんやろ?」

 

 

かなり酒を飲んだのか、顔を赤く染めたキツネが、一升瓶とコップを持って景太郎に絡んでくる。

そんなキツネをちょっと眉をひそめながらも、景太郎は苦笑して答える。

 

 

「確かに、通常のモノよりは少々値は張りましたけど…結構、安く手に入ったんですよ」

「いくらや?」

「これくらいです」

 

 

右手の指を3本を立てる景太郎。

それを見たキツネは、驚きの声をあげた!

 

 

「そんなにかかったんか!?」

「予想していたよりは安かったんですよ」

「まぁ、いくら鍋でも、あれだけの量やからなぁ」

 

 

感心したように呟くと、キツネはコップに酒をつぎ足し、グイッと飲み始める。

 

 

「しかしなぁ、一般の大学生がプレゼントにそこまでするか?」

「しのぶちゃんは頑張ってくれているんですから、これくらいは当たり前ですよ」

「まぁ、それは否定せんけどな…やけど、生活は大丈夫なんか?”三十万”ゆうたら馬鹿にならんで」

「生活の方は大丈夫ですよ。本業でそこそこ稼いでいますから。それと、一つ訂正しておきたいんですけど…」

「なんや?」

 

 

酒をつぎ足したコップに口を付けながら、景太郎の言葉に返事をするキツネ。

どうでもいいが、ペースが無茶苦茶早い。

 

 

「実は三万で、あの鍋はバッタモンやったってか?」

「まさか。全部本物ですよ、ただ、手に入れるのに”三百万”かかったってだけですよ」

 

「ぶはっ!!」

 

「汚いですね…気をつけてくださいよ」

 

 

しのぶのプレゼントステンレス鍋のセットの値段を聞いたキツネは、思わず口に含んだ酒を吹き出す!!

それを見た景太郎は眉をひそめながら、台拭きでテーブルの上に散った酒を拭き取る。

そんな非難の声と視線を無視して、キツネは景太郎に詰め寄る!

 

 

「なんやそりゃ、太っ腹は太っ腹でも、三段腹やないか!!」

 

 

プレゼントに三百万もかけるという景太郎に思わず叫んでしまうキツネ。

しかし、そうは言いつつも頭の中では自分の誕生部になにを買ってもらおうかと算段していた。

この腹黒さは、キツネらしいといえばキツネらしい思考回路だ。

 

 

「う~ん、〈三百万〉と〈三段腹〉ですか…同じ〈三〉をかけた洒落ですけど、面白いかどうかは……」

「ちゃうわ!」

 

 

洒落(本人は否定)を真面目に批評する景太郎に、すかさずつっこむキツネ。

 

 

「そんなことより、なんでたかだか鍋のセットを買うぐらいでそんなに金がかかるんや!?」

 

「ああ。それはですね、あれは外国でもそれなりに裕福な家庭にしか手がでないほどの代物なんですよ。

しかも、かなりの人気商品らしく、完全予約制の上、一般には出回らないんですよ」

 

「それで三百万もかかったんか?」

 

「ええ。急いで手に入れるように知り合いに頼んだんですけど、その手数料云々で六十万ほど。

あのステンレス鍋のセット自体の値段は税込みで約七十万。

予約云々をすっ飛ばしてもらう為にかかった諸費用が残りの百七十万です」

 

「なんか金銭感覚が麻痺しそうな話やな、なんか眩暈がしてきたで…

しかし、品物よりも他の事に金がかかっとるんはどういうことなんや?」

 

「老舗の有名メーカーですからね。そう言うところはなにより信用を大事にするんです。

それなのに、無理して品物を手に入れるんですからね、多少の散財はしょうがないですよ。

俺は諸費用だけで三百万ほどかかると思ってたんですけどね。本当に安く済んだものです」

 

「ああ、さよか」

(こいつは…二百万近い金額で”多少の散財”言うなんて、いったいどないな金銭感覚しとんねん)

 

 

投げやり気味で返事をするキツネ…

もう話についていけんと言わんばかりに酒を一気にあおりながら、主役であるしのぶの方に目を向けた。

 

 

 

そのしのぶと言えば…なるやスゥ達と共にジュースを飲みながらはしゃいでいる。

しばらくすると、なにやら怪しげなマシンを持ち出したスゥを見たしのぶが危険を察知し逃げ出すが、

そのしのぶをスゥがマシンを持って追いかけ回すという、やや微笑ましい光景が繰り広げられていた。

 

 

「しのぶ~、なんで逃げるん?せっかくしのぶのためにつくった〈たんじょうびおいわいマシーン〉なんや。

ためしてみてーや!これをうけると、ゆめみごごちのきぶんになるで~!」

 

 

怪しげなマシン…スゥ曰く『お誕生日お祝いマシン』らしいが、どう見ても、おっきなヘルメットだった。

つけられている電球等がある所為で、かろうじてただのヘルメットから何らかの機械に見えていた。

 

 

「そんな怪しい物、使えないよー!」

「そないなこと言わんでや。しのぶのための力作なんやで~」

「イヤったらイヤ~!!」

「ほんならしかたない、しのぶ捕獲用〈ロケット・アンカー〉発射や!」

 

 

スゥは自分の左腕に装着してあった巨大な小手…『ピアサーロック君』から、

UFOキャッチャーなどでよく見られるような機械ハンドが射出され、逃げていたしのぶを捕獲する!

 

 

「いや~~~~」

「おりゃ~~~!しのぶの一本釣りや!!」

「きゃ~~~!」

「さぁしのぶ、これをつけて、天国に逝くんや!!」

「助けてお母さーーーん!!」

 

 

巨大ヘルメットを持ってしのぶににじり寄るスゥ。

しのぶは半泣き…否、八割がた泣いている!

さすがにその様子に危険なモノを感じたのか、今まで静観していたなると素子がスゥを止めに入った。

 

 

「ね、ねぇスゥちゃん、もう止めてあげたら?」

「おいスゥ、そろそろ止めておけ。しのぶが本気で泣いているぞ」

「う~ん、ざんねんやったな~、会心のできやったのに……」

 

 

スゥは本気で残念そうに巨大ヘルメットを見た後、庭の片隅に片づけた。

それを見たしのぶは、ホッと深く溜め息を吐いた…

 

 

 

 

「向こうは楽しそうですね」

「ほんまや、若いってええなぁ」

 

キツネは豪快に、景太郎はちびちびと酒を飲みながら、しのぶ達の騒ぎを眺めていた。

今の言葉を当の本人…特にしのぶに聞かれでもしたら、泣きながら怒ること間違いないであろう。

 

 

「なぁ景太郎」

「なんですか、キツネさん」

「……うちの誕生日、期待しとるで!」

「ええ、期待していてください」

 

 

ニカッと笑うキツネに、同じく微笑して返事をする景太郎。

なんとなく、二人の間に良い雰囲気が流れる……景太郎の次の言葉を言うまでは。

 

 

「ただし、滞納している家賃を払ってくれたら…ですけど」

「なんや、ケチやな~」

 

 

表情を一変、ふてくされたようにコップに残っていた酒をグイッと飲み干すキツネ。

そして、すぐに溢れんばかりに一升瓶から酒をつぎたす。まるで中年オヤジみたいだ。

そんなキツネに、景太郎は相変わらずの笑み…いや、前よりも嬉しそうな笑みをキツネに向けた。

 

 

「キツネさん」

「なんや?」

 

「………ありがとうございます」

「…………ん」

 

 

景太郎のたった一言の感謝の言葉に、キツネはうっすらと笑いながらコップの酒をグイッと飲んだ。

 

 

キツネの誕生日…それは、八月三十一日。

今年はとっくに過ぎており、次の誕生日は来年である。

それはキツネが一番よく知っていること…

つまり先程の言葉は、遠回しに『ずっとひなた荘ここにいてもいい』と言っているのだ。

 

故に…それを理解した景太郎は、キツネに礼を言いたくなったのだ。

 

 

 

 

(ここは本当に楽しい場所だな……)

 

景太郎は、年季の入った建物…ひなた荘を見上げつつ、あまり慣れぬ酒をグイッと飲んだ。

心が落ち着く、心地よい喧噪に包まれつつ……

 

 

 

追記……この後、しのぶから『入寮者名簿』の事を聞いたなる達と一騒動があったことを此処に記しておく。

 

 

 

―――――第七灯に続く―――――

 

 

……あとがき……

 

どうも、ケインです。白夜の関灯を送ります。

今回はまぁ…わざわざ『関灯』という形にしたのは、本編とは関係ないらしいからだそうです。

 

特にこれといって書くことはありませんが…まあ、三つほど。

 

一つは、今回景太郎が退魔に使った技です。

アレは本編でも書いているように氣功術です。

何故景太郎があんな技を使えたりするかは、そのうち…八話辺りで書くそうです。

 

二つ…景太郎の友達、灰谷ですけど、もう一人の方も普通の職業じゃありません。

三つ…鍋の金額やら云々ですけど、アレは適当なので、違う可能性が大です。あまり気にしないでください。

 

 

それと、これで某所に投稿していた話数に追い付きました。

次からの投稿はかなり遅れます。大体、二週間に一回程度と考えてください。

 

それでは……次回もよろしければ読んでやってください、ケインでした………

 

 

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